乳癌診療ガイドライン①治療編(2022年版)では、単発〜少数個の脳転移が切除可能な場合、手術と放射線療法により局所制御、生存期間およびQOLの改善に寄与する可能性があり、行うことを考慮しても良いとあります。ただし、多発性脳転移では放射線治療法が基本であり、外科的切除は基本的に勧められないとしています。解説の中には、HER2陽性乳癌の脳転移に対し、トラスツズマブ デルクステカンが治療効果を示すなど(参考文献N Engl J Med. 2020;382(7):610-21.[PMID: 31825192]、脳転移に奏効が期待できるサブタイプや薬物療法が臨床応用されるようになると、手術、放射線、薬物療法を含めた治療戦略の個別化が必要になることが予想されるとの記載があります。